よく知られているように、ほとんどのアクティブファンドはインデックスファンドより成績が悪いです。だから個別株の銘柄を選ぶよりインデックスファンド一択でしょう、という意見は正しくて否定できません。
しかし、ウォーレン・バフェットやピーター・リンチのように市場平均を大きく上回る成績をあげた人がいることも事実です。
この記事では、市場平均を上回る成長株に必要な特徴をわかりやすく説明します。また、そのような特徴を持つ企業を探す方法を紹介します。この方法を実践することで、だれでも簡単に優良な成長株を見つけることができます。
成長株の銘柄の選び方のポイント
成長株にはいくつかの条件があり、その条件の多くに当てはまる企業を選ぶことがポイントです。それぞれのポイントについて説明します。
成長株投資 | |
売上高の増加率 | 10%以上 |
営業利益率 | 10%以上 |
当期純利益 | 黒字を維持し続けていること |
ROE | 20%以上 |
自己資本比率 | 50%以上 |
配当利回り | (低いほど良い) |
配当性向 | (低いほど良い) |
チャートの長期トレンド | 右肩上がり |
売上高の増加率
安定した売上高の増加は、企業が長期的に成長を維持していることを示す証拠です。成長株には10%以上の売上高増加率がほしいです。
営業利益率
営業利益率の高さは、消費者に求められている付加価値の高い製品やサービスを提供している企業であることの証拠です。将来の継続した成長を期待するためには、営業利益率が10%以上あると安心できます。ただし、現在は低くても、営業利益率が増加傾向でいずれ10%を超える見込みがある場合は基準をクリアしているとみなしてもいいです。
当期純利益
毎年の業績のブレはあるのは当然ですが、それでも当期純利益が赤字になる企業は選びません。最近ですと2020年のコロナショック、2008年のリーマンショックでも当期純利益が赤字にならなかった企業は景気が悪化しても成長できる企業と判断できます。
株式市場は10年程度のサイクルで上げ相場と下げ相場を繰り返すので、過去10年程度の期間で一度も赤字を出していなければ、経済状況が最悪の場合でも利益を出せる強いビジネスモデルを持っていると考えられます。
ROE
ROEは、自己資本利益率のことで、株主が出資したお金を元手に企業がどれだけの利益を上げたのかを数値化したものです。また、ROEは株価の増加速度にも影響するため、最低でも10%のROE、できれば20%以上の企業を選びたいです。
自己資本比率
自己資本比率が高い企業は財務安定性が高いです。目安として自己資本比率が50%以上あれば十分です。
ただ、自己資本比率は業種により差があるため一概に適正な水準をいうことができません。そのため、同業他社と比較して自己資本比率が平均以上であればいいと判断してもいいです。
自己資本比率が高いとROEは低くなりがちですが、自己資本比率が高いにもかかわらずROEが高い企業は本質的に高い利益を出せる体質と言えます。
配当利回り

配当利回りは成長株投資と高配当株投資で全く考え方が変わります。
企業の税引き後利益の分配先は大きく2つに分けられますが、高配当株では配当金の支払いに多く分配し、成長株では内部留保の事業内投資に多く分配します。
- 配当金
- 内部留保(事業内投資、現金)
配当金では企業は成長しない一方で、内部留保の事業内投資をすることで企業は成長するためです。そのため、成長株投資では配当が少なくして事業内投資にお金を使ってもらったほうが好ましいと考えます。
配当性向
配当性向とは、企業が税引後の当期純利益から株主に支払う配当金の割合を示す指標です。配当性向が高すぎると、将来の成長のための投資をしていないことになります。配当利回りと同様に、配当性向も低いほど好ましいと考えます。
チャートの長期トレンド

週足や月足でチャートの長期トレンドを確認してください。成長株投資では、下値が切りあがっていて全体的に右肩上がりのチャートでなければなりません。横ばいや右肩下がりのチャートの株は避けてください。
中期経営計画
長期投資であれば、各社のIRサイトから中期経営計画を読みましょう。その企業の成長を信じることができるかどうかで最終的にその企業に投資するかどうか判断します。
銘柄の探し方
身近な業界や会社
伝説のファンドマネージャー、ピーター・リンチは、自分の身の回りの企業や自分がよく知っている業界の企業から、まだ注目されていない小型の優良企業を探すことを勧めています。
スクリーニング
証券会社の銘柄スクリーニング機能を使って成長株のスクリーニング検索をする方法も便利です。スクリーニングのやり方は、別の記事で図をたくさん使ってわかりやすく説明しています。
株を買うタイミング
いい企業を見つけても、買うタイミングはいつでもいいわけではありません。企業のPERは時期により変動するため、過去のPER実績範囲から現在の株価が割安かどうかを判断し、PERが割安な水準で購入します。
関連書籍
機関投資家の銘柄選択ノウハウを説明した本です。「スクリーニング」5つのポイントと「バリュエーション」5つのステップをもとに10倍株を狙えることをわかりやすく説明しています。なかでもROEの重要性が強調されています。
まとめ
この記事では、市場平均を上回る成長株に必要な特徴をわかりやすく説明しました。また、そのような特徴を持つ企業を探す方法を紹介しました。