2000年以降の価格変動のデータに基づいて、資産クラス8種類のリスクとリターンを比較しました。その結果、金が比較的ローリスク・ハイリターンであったことがわかりました。
比較した資産クラスは、日本株、外国株、日本債権、外国債券、日本不動産、外国不動産、コモディティ、金の8種類です。
資産運用におけるリスクとリターンとは?
リスクという言葉には「損をする・危ない」というイメージがありますが、資産運用におけるリスクは「値動きの振れ幅」の意味で使われます。
リターンとは運用によって得られる収益です。リターンがマイナスになる場合もあります。

リスクとリターンの関係
リスクとリターンの関係は、以下の4種類に分類できます。このうち、ローリスク・ハイリターンの資産クラスがあればベストですが、基本的にそのような資産クラスはありません。
逆に、最悪のハイリスク・ローリターンの資産クラスは存在します。ハイリスク・ローリターンの資産クラスは選ばないようにしましょう。

実際の資産クラスのリスクとリターンの関係
2000年以降の実際の資産クラスのリスクとリターンの関係をチャートに表しました。元データはこの記事の最後につけています。
一般的に、リスクの高さとリターンの高さは比例する傾向があります。しかし、2000年以降のデータをもとにしたチャートを見ると、日本株とコモディティはハイリスク・ローリターン寄り(チャートの右下方向)に位置しています。そして、金が比較的ローリスク・ハイリターン寄り(チャートの左上方向)に位置しています。
※この記事では、リターンは平均リターン(%)、リスクはリターンの標準偏差(%)としています。

資産クラスのリスクとリターンの関係を別の表現で示します。下のチャートは、丸印が減金リターン、四角の上端が最大リターン、下端が最小リターンを表しています。つまり、四角が長細い金曜商品ほど、最大リターンと最小リターンの振れ幅が大きいことがわかります。
日本株とコモディティは振れ幅が大きいわりに平均リターンが低く、金は振れ幅が小さいにもかかわらず平均リターンが比較的高いことがわかります。

2000年以降のデータでは金は価格上昇率が高かったですが、1802年からの超長期のチャートでは金のパフォーマンスはそれほど良くありません。金が2000年以降好調ですが、全期間を通して価格が上昇し続けているのはアメリカ株式です。

もちろん、将来も過去のデータ通りになるとは限りませんが、過去のデータを参考に投資することは大切です。
資産クラスのリターンの過去データ
この記事で使用したデータを示します。
