債券価格と金利の関係
債券価格と金利の動きは逆の関係にあります。具体的には、金利が上昇すると債券の価格は下落し、逆に金利が下がると債券の価格は上昇します。この関係は、債券市場における需要と供給の原理に基づいています。
金利が上昇すると、新たに発行される債券の利率が既存の債券よりも高くなるため、既存の債券の魅力が低下します。これにより、投資家は既存の債券を売却し、新たな高利率の債券を購入する傾向が強まります。その結果、既存の債券の価格は下がります。
逆に、金利が低下すると、新たに発行される債券の利率が低くなるため、既存の債券の魅力が増します。このため、投資家は既存の債券を保持し続けるか、購入することが多くなり、債券の価格は上昇します。

アメリカ国債価格と米10年債券利回りの関係
2013年~2023年の米債券インデックスと米10年債券利回りの推移を見ると、金利と債券価格は逆の関係にあることがよくわかります。

債券の売買タイミング
- 債券を買うタイミング:金利が高く、これから金利が下がると予想される時期が望ましい。
- 債券を売るタイミング:金利が低く、これから金利が上がると予想される時期が望ましい。
ここで言う金利とは、債券の通貨の国債金利です。円建ての債券なら日本国債の10年債金利、ドル建ての債券ならアメリカ国債の10年債金利を見るのが一般的です。
金利は、経済状況やインフレ率などに左右されるため、市場動向を注意深く見て判断ことが重要です。
例えば、金利が上昇する兆しが見えた場合、既発債券を早めに売却することで損失を回避することが可能です。また、金利が低下する局面では、既発債券を購入することで債券の値上がり益を享受することができます。このように、金利の変動を予測し適切なタイミングで取引を行うことが、投資家にとって重要な戦略となります。
金利変動のメカニズム
金利の変動は、経済の状況や中央銀行の政策によって引き起こされます。特に、景気の動向が金利に与える影響は大きいです。好景気の際には、企業の生産活動が活発化し、資金需要が増加するため、金利は上昇します。逆に、不景気になると資金需要が低下し、金利は低下する傾向があります。このように、金利は経済全体の健康状態を反映する重要な指標です。
中央銀行の金融政策
中央銀行は、政策金利を調整することで経済全体の金利水準に影響を与えます。政策金利が引き下げられると、国債の金利も低下します。一方、中央銀行が政策金利を引き上げると、国債の金利も上がります。
中央銀行による国債の売買
中央銀行は、金利と国債価格に直接的な影響を与える政策を実施しています。これには、国債の買い入れや売却を通じて市場の流動性を調整することが含まれます。国債の購入は、金融市場に資金を供給し、金利を低下させる効果があります。逆に、国債を売却することで市場から資金を吸収し、金利を上昇させることが可能です。これにより、中央銀行は経済の安定を図ることができます。
中央銀行が国債を購入することを「買いオペ」、国債を売却することを「売りオペ」と言います。
米国政策金利と10年国債利回りの推移
米国政策金利はインフレ率をおおむね2%に調整するよう、インフレ率が高くなれば金利を高くし、インフレ率が下がれば金利も下げるように変更されます。10年国債利回りは金利の上下に連動するような値動きをしてきました。
こうしてみると、2025年はインフレ率と米国政策金利が下がることが見込まれるため、10年国債利回りも下がると推測できます。これはアメリカ債券投資にとって良い環境です。
※投資は自己責任でお願いします。


金利が下がると債券だけじゃなくて株式も上がります。そして、株式のほうが値上がり益が大きいんですよね。金利低下を予想した場合は債券より株式のほうがいいかもしれません。
債券の買い方
債券は、証券会社や銀行、郵便局などの金融機関で購入できます。
例えばSBI証券では、メニューバーの「債券」をクリックし、次に「円貨建」「外貨建」をクリックすると、それぞれ販売中の債権の情報が表示されます。
