GDPと株価指数は相関性が⾼いです。この記事では、将来のDGP成長率ランキングをもとに、次の新興国投資の本命を推測します。10年後を見据えた長期投資のアイデアです。
DGP成長率ランキングは、インド、アラブ首長国連邦、インドネシア、サウジアラビア、トルコでした。これらの国の株価指数への投資方法も紹介します。
GDPと株価指数は相関性が⾼い
GDPと株価指数は相関性が高いです。これにはいくつかの理由があります。
- 経済成長と企業利益:GDP(国内総生産)は国全体の経済活動を測る指標であり、経済が成長すれば企業も利益を上げやすくなります。企業の利益が増えると、その国の株価指数も上昇する傾向があります。
- 投資家の信頼感:GDPが高いと、投資家はその国の経済に対して信頼感を抱きやすくなります。経済が強いと判断されると、投資家は積極的に株式市場に投資し、株価指数が上昇することが期待されます。
- 政策の影響:不景気を示す経済指標が発表されると、政府が景気刺激策を講じたり、中央銀行が金利を下げたり、景気刺激策が講じられます。これが株式市場にとって好材料となり、株価指数の上昇を促します。
- 個人消費の増加:GDPが成長するということは、GDPの多くを占める個⼈消費が活発化することであり、その結果として企業の業績が向上し、株価指数にプラスの影響を与えます。 個人消費は経済活動の中でも重要な要素であり、各国・地域のGDPにおいても大きな割合を占めています。個人消費が活発化することで、企業業績が向上し、GDPと株価指数に高い相関性が現れます。

将来のDGP成長率ランキング
著名ヘッジファンドマネージャーのレイ・ダリオは2021年以来、地政学的および経済的動向が変化する中での世界的な勢力図に関するレポートを発表しています(RAY DALIO The Great Powers Index: 2024)。特に、労働市場の力、経済の安定性、社会的要因に着目した主要国の将来展望を分析しています。
今後、多くの先進国は、第二次世界大戦以来の最高水準の債務に悩まされ、成長が鈍化すると予想されています。一方、新興市場は、生産性の向上に支えられ、最も力強い成長を達成すると予測されています。
レイ・ダリオの分析に基づく2024年から2034年までの実質GDP成長率のランキングから、次の新興国投資の本命を予測します。
国 | 年間GDP成長率 | 代表的な株価指数 |
インド | 6.3% | SENSEX、Nifty 50 |
アラブ首長国連邦 | 5.5% | ドバイ金融市場総合指数 |
インドネシア | 5.5% | ジャカルタ総合指数 |
サウジアラビア | 4.6% | サウジアラビア・タダウル全株指数 |
トルコ | 4.0% | イスタンブール100種指数 |
中国 | 4.0% | ハンセン株価指数、上海総合指数 |
ロシア | 2.9% | ロシアRTS指数 |
ポーランド | 2.9% | ワルシャワWIG20種指数 |
南アフリカ | 2.9% | JSEアフリカ全株指数 |
シンガポール | 2.6% | シンガポールST指数 |
次の新興国投資の本命と投資方法は?
新興国株投資は基本的に株価指数に連動する投資信託またはETFをおすすめします。よほど詳しい情報を入手できる人を除き、個別株は避けたほうが無難でしょう。
また、新興国株は値動きが激しいため、株価が急上昇しているときに買うのではなく、株価が下がったところを狙って買いましょう。
1位 インド
インド株に投資できる国内ETFは4本もあります。これらの中では、出来高の多い1678を選ぶといいでしょう。
- 国内ETF(1678)NEXT FUNDSインド株式指数・Nifty 50連動型上場投信
- 国内ETF(188A)グローバルX インド・トップ10+ ETF
- 国内ETF(201A)iシェアーズNifty 50インド株ETF
- 国内ETF(233A)iFree ETFインドNifty 50
インド株に投資できる投資信託は大量にあります。口座を持っている証券会社のホームページから、インド株のインデックスファンドで信託報酬の低いファンドを選ぶとよいでしょう。
- SBI-フランクリン・テンプルトン・インド株式インデックス・ファンド(信託報酬0.2538%程度)
- アムンディ-(アムンディ・インデックスシリーズ)インド株(信託報酬0.2805%以内)
- auAM Nifty50インド株ファンド(信託報酬0.297%)
2位 アラブ首長国連邦
アラブ首長国連邦株に投資できる国内ETFはありません。
アラブ首長国連邦株に投資できる投資信託は、主なものは1本です。信託報酬が高いですが、ほかに選択肢がありません。
※サウジアラビア、アラブ首長国連邦(UAE)、クウェート、オマーン、カタール、バーレーン、エジプト、モロッコ、チュニジア、レバノン、ヨルダン等のアラブ地域を中心とした中東・北アフリカ諸国で事業を展開する企業に投資する投資信託です。
- アムンディ・アラブ株式ファンド(信託報酬2.254%以内)
3位 インドネシア
インドネシア株に投資できる国内ETFはありません。
インドネシア株に投資できる投資信託はいくつかありますが、信託報酬が高いものを除くと主なものは1本です。
- イーストスプリング・インドネシア株式ファンド(資産成長型)(愛称:+αインドネシア)(信託報酬0.892%程度)
4位 サウジアラビア
サウジアラビア株に投資できる国内ETFは2本もあります。この中では、出来高の多い273Aを選ぶといいでしょう。
- 国内ETF(273A)SBIサウジアラビア株式上場投信
- 国内ETF(295A)One ETF FTSE・サウジアラビア・インデックス
サウジアラビア株に投資できる投資信託は、主なものは1本です。信託報酬が高いですが、ほかに選択肢がありません。
※サウジアラビア、アラブ首長国連邦(UAE)、クウェート、オマーン、カタール、バーレーン、エジプト、モロッコ、チュニジア、レバノン、ヨルダン等のアラブ地域を中心とした中東・北アフリカ諸国で事業を展開する企業に投資する投資信託です。
- アムンディ・アラブ株式ファンド(信託報酬2.254%以内)
5位 トルコ
トルコ株に投資できる国内ETFはありません。
トルコ株に投資できる投資信託は、主なものは1本です。信託報酬が高いですが、ほかに選択肢がありません。
- SOMPO-トルコ株式オープン(愛称:メルハバ)(信託報酬1.98%)
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まとめ
この記事では、GDPと株価指数の相関性の⾼さに着目した投資アイデアを紹介しました。まず、将来のDGP成長率ランキングをもとに、次の新興国投資の本命を推測しました。DGP成長率ランキングは、インド、アラブ首長国連邦、インドネシア、サウジアラビア、トルコでした。
基本的には、インド株が10年後に大きく成長することを見込んで、インド株が下がったタイミングで少しずつ買っていき、10年後に大きな利益を享受する投資アイデアです。