
サラリーマンは税金を取られやすい職業って言われてるよね・・・

そうですね。でもサラリーマンにも節税する権利はあります!
この記事では、サラリーマンが関係する所得税、相続税、投資関係税について、税金を節税する方法や裏ワザをたっぷり紹介します。
- 相続税を節税するポイント:各種控除を活用して課税所得を削減
- 相続税を節税するポイント:特定の贈与に関して雑徭税を軽減する特例を活用
- 投資関係税を節税するポイント:NISAやiDeCoの活用と取引で発生した損失の繰越制度の活用
相続税の節税
サラリーマンの所得税は、個人の収入から給与所得控除と所得控除額を差し引いた課税所得に対して、累進課税の所得税率をかけ、そこから税額控除額を差し引いて計算します。


所得税率は課税所得が多くなるほど高くなる、累進課税なんだね

所得税を節税するポイントは、各種控除を活用して課税所得を削減することです
給与所得控除は、納税者本人の合計所得金額に応じて決まります。
給与等の収入金額 | 給与所得控除額 | |
1,625,000円まで | 550,000円 | |
1,625,001円から1,800,000円まで | 収入金額×40%-100,000円 | |
1,800,001円から3,600,000円まで | 収入金額×30%+80,000円 | |
3,600,001円から6,600,000円まで | 収入金額×20%+440,000円 | |
6,600,001円から8,500,000円まで | 収入金額×10%+1,100,000円 | |
8,500,001円以上 | 1,950,000円(上限) |
所得税率は、課税される所得金額によって決まります。
課税される所得金額 | 所得税率 | 控除額 |
1,000円 から 1,949,000円まで | 5% | 0円 |
1,950,000円 から 3,299,000円まで | 10% | 97,500円 |
3,300,000円 から 6,949,000円まで | 20% | 427,500円 |
6,950,000円 から 8,999,000円まで | 23% | 636,000円 |
9,000,000円 から 17,999,000円まで | 33% | 1,536,000円 |
18,000,000円 から 39,999,000円まで | 40% | 2,796,000円 |
40,000,000円 以上 | 45% | 4,796,000円 |
基礎控除と給与所得控除以外の所得控除は15種類あり、いずれも適用条件が決まっています。

税務署は節税できるのにしていなかったとしても、教えてくれないよ

申告できる所得控除はすべて申告し、法律の範囲内で最大限の控除額を申告しましょう
控除の名称 | 控除の対象と控除額 |
雑損控除 | 災害・盗難・横領などによる損害を受けた場合に適用される控除 |
医療費控除 | 医療費が一定額を超えた場合に適用される控除 |
寄附金控除 | 自治体への寄附金、ふるさと納税などに特定寄付金を支払った場合に受けられる控除 |
社会保険料控除 | 社会保険料を支払った場合に適用される控除 |
小規模企業共済等掛金控除 | 小規模企業共済、企業型DC、iDeCoなどの掛金を支払った場合に適用される控除 |
生命保険料控除 | 生命保険料、介護医療保険料、個人年金保険料を支払った場合に適用される控除 |
地震保険料控除 | 地震保険料などを支払った場合に適用される控除 |
寡婦控除 | 夫と離婚や死別をしていて一定の要件を満たす方が受けられる控除 |
ひとり親控除 | 納税者がひとり親である場合に適用される控除 |
障害者控除 | 納税者及び同一生計配偶者、扶養家族が障害者に該当する場合に適用される控除 |
勤労学生控除 | 一定水準以下の給与所得のある学生に適用される控除 |
配偶者控除 | 年間48万円以下の所得金額の配偶者がいる場合に適用される控除 |
配偶者特別控除 | 所得が年間48万超~133万円以下の配偶者がいる場合に適用される控除 |
扶養控除 | 扶養する家族がいる場合に適用される控除 |
基礎控除 | 合計所得金額が2,400万円以下の納税者に適用される控除 |
雑損控除
雑損控除は災害・盗難・横領などによる損害を受けた場合に適用される控除です。

使う機会が少ないですが、適用できる場合は忘れずに申告しましょう。意外かもしれませんが、雑損控除は雪下ろし、シロアリ駆除、スズメバチ駆除も対象です。
医療費控除
医療費控除は医療費が一定額を超えた場合に適用される控除です。

医療費控除は意外と適用範囲が広く、マッサージ、ビタミン剤、栄養ドリンクも対象にできます
生命保険料控除
生命保険、個人年金保険、介護医療保険を支払っている場合は、所得控除を受けられます。
2012年1月1日以降の契約の場合
年間の支払保険料 | 所得税の控除額 |
2万円以下 | 支払保険料全額 |
2万円超4万円以下 | 支払保険料×1/2+1万円 |
4万円超8万円以下 | 支払保険料×1/4+2万円 |
8万円超 | 一律4万円 |
生命保険料控除、個人年金保険料控除、介護医療保険料控除それぞれ上記控除額が適用となるので、最大12万円の控除を受けられます。

保険料控除を増やすことを目的に保険を契約することはおすすめしません。保険は最低限にしましょう。そのうえで、契約している保険は忘れずに控除するのがいいです。
地震保険料控除
地震保険を支払っている場合も、所得控除を受けられます。
保険料 | 控除額 |
5万円以下 | 支払保険料全額 |
5万円超 | 5万円 |
寄付金控除(ふるさと納税)
ふるさと納税は、自己負担した金額から2,000円を超えた部分については寄附金とみなされ、一定額までの全額が所得税や住民税から控除される制度です。例えば、控除上限額が5万円の人がふるさと納税で5万円を寄附した場合、4万8,000円分が所得税や住民税から控除されます。
ふるさと納税は翌年の住民税を前払いしているため形式的には節税ではありませんが、寄付をした自治体から寄付額の最大3割相当の名産品などが届くので、お得な制度といえます。

税金の中では珍しく、高所得者ほど得をする仕組みになっています
社会保険料控除
社会保険料控除は本人が支払ったものだけでなく、家族が支払ったものも申告することができます。そのため家族の中で最も収入が多い人に社会保険料控除を適用すれば、節税効果が高くなります。
扶養控除
扶養控除は扶養する家族がいる場合に適用される控除です。

扶養控除は遠い親戚でも同居していなくても扶養対象にできます。親戚で扶養控除に入れることができそうな人を探してみましょう。
住宅借入金等特別控除(住宅ローン控除)
マイホームの購入やリフォームのために、住宅ローンを利用して一定の要件を満たした場合に所得税と住民税の一部が控除される制度です。年間で最大40万円、最長で約10年間、年末残高の1%を所得税や住民税から控除できます。
- 取得・増改築をした日から6ヶ月以内に居住する
- 入居した翌年の3月15日までに確定申告を行う
- 物件の床面積が50平米以上
- 借入金は償還期間が10年以上
- 住宅ローンを利用する人の年収が3,000万円以下
住宅借入金等特別控除(住宅ローン控除)は税額控除で、直接所得税額から引くことができます。
所得控除は年末調整や確定申告で申告
所得控除を受けるには、年末調整または確定申告が必要です。サラリーマンの場合は年末調整を会社で行いますが、医療費控除やふるさと納税といった所得控除は自分で確定申告します。
年末調整で行う所得控除 | 確定申告で行う所得控除 |
基礎控除 扶養控除 生命保険料控除 地震保険料控除 小規模企業共済等掛金控除 社会保険料控除 寡婦控除 ひとり親控除 障害者控除 勤労学生控除 配偶者控除、配偶者特別控除 住宅ローン控除(ただし1年目は確定申告) | 雑損控除 医療費控除 セルフメディケーション税制 寄附金控除(ふるさと納税) |
退職したら確定申告
通常サラリーマンは会社が年末調整をしています。年末調整とは、1年間の税金を清算してとられすぎた税金を還付する作業です。ただし、退職した人は年末調整をされないため、何もしなければほぼ100%税金をとられすぎたままになっています。

退職した年は自分で確定申告して、取られすぎた税金を還付してもらいましょう
相続税の節税
相続税の対象となる資産は、現金や金融資産だけでなく不動産など金目の物はすべてが対象です。2015年の法改正で相続税の基礎控除額が下がりました。これまでは亡くなった人の4%が相続税の対象でしたが、対象者は8%に増えました。また、最近はマンション価格も高くなっていますし、相続税の対象となる人が増えています。
下の記事では、相続税を節税するための方法や裏ワザを紹介します。
たくさんあるので、みなさんがやりやすい方法がきっと見つかります。まずは自分の資産を洗い出し、相続税を取られすぎないように対策しましょう。 まだ若い人にとっても相続税対策を知っておくことは重要です。なぜなら相続税対策は早く始めれば効果が大きいためです。
資産形成における節税
NISA
NISAとは少額投資非課税制度のことで、NISA口座を利用して運用して得られた収益に税金がかからない制度です。通常は株式投資や投資信託で利益が発生すると20.315%の税金がかかりますので、非常にお得な制度となっています。
つみたて投資枠 | 成長投資枠 | |
購入方法 | 積立のみ | 一括・積立 |
1年間の投資可能額 | 120万円 | 240万円 |
非課税の対象期間 | 無期限 |

このブログではお金持ちになるために積立投資することをおすすめしています。NISAを使って積立投資しましょう。
iDeCo
iDeCoとは、個人型確定拠出年金のことです。公的年金(国民年金や厚生年金)とは別に、自分で掛金を拠出して運用し、老後の資金を準備する制度です。
60歳になるまで引き出せないなど制限がありますが、3つの節税効果があります。
- 積み立て時:掛け金が全額所得控除
- 運用時:分配金などの運用益が非課税
- 受取時:一定額まで非課税
株取引に関する控除
株取引で損が出た場合、確定申告をすることで損失を3年間繰り越しできます。1年目に50万円の損失を出し、2年目に100万円の利益が出た場合、1年目と2年目に確定申告をすると損益通算できて2年目は差し引き50万円に対しての税金だけ払えばいいことになります。
出典:国税庁 No.1474 上場株式等に係る譲渡損失の損益通算及び繰越控除