この記事ではタックスヘイブンに移住して節税する方法について説明します。
世界にはキャピタルゲイン税、住民税、贈与税、相続税などがゼロのタックスヘイブンと呼ばれる国や地域があります。日本からタックスヘイブンに移住すれば所得税がゼロになり、10年以上移住すれば相続税もゼロになります。
ただし、タックスヘイブンへの移住は普通のサラリーマンにはハードルが高いです。ちょっとしたお金持ち程度なら、ほかの方法で節税して日本に住み続けるほうがいいでしょう。

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タックスヘイブンとは
タックスヘイブンとは「租税回避地」のことで、キャピタルゲイン税、住民税、贈与税、相続税がゼロか、もしくは限りなくゼロに近い国や地域を指します。
日本など税金の高い国や地域でかかるはずの法人税、源泉徴収税、相続税、贈与税等の租税がほとんどかからないため、節税のために個人が移住したり多国籍企業が拠点を置いたりしています。
タックスヘイブンにあたる国・地域の一覧
タックスヘイブンは、経済を支える基幹産業がなく、外貨を獲得する資源が乏しい小国や地域です。タックスヘイブンとなり税率を低く抑える代わりに、会社設立の登記手数料が得られ、世界中の企業や富裕層からお金が集まることで金融業を拡大しています。
無税 「タックスパラダイス」 | バハマ バミューダ バーレーン ケイマン諸島 ブリティッシュ・バージン・アイランド マーシャル諸島 |
特定の会社や事業活動に限り優遇 「タックスリゾート」 | オランダ イギリス ルクセンブルク リヒテンシュタイン アイルランド |
国外で生じた所得が非課税 「タックスシェルター」 | パナマ マレーシア リベリア コスタリカ |
比較的低税率 | ドバイ 香港 マカオ シンガポール ラブアン島(マレーシア) アイルランド キプロス モンテネグロ |
タックスヘイブンに移住して節税
所得税の節税
仕事の所得や株式等の売却益に課される所得税は国によって差があり、所得税の高い日本から所得税が無税または税率が低いタックスヘイブンに移住すると大幅に所得税を減らすことが可能です。
- 日本からの所得がある:日本からの収入にのみ、日本の所得税がかかる
- 日本からの所得がない:日本の所得税はかからない
- タックスヘイブンでの所得:タックスヘイブンの税制に従う(国や地域により所得税がゼロの場合がある)
相続税の節税
相続人・被相続人ともに10年以上外国に在住していれば、相続時に課税されるのは日本の財産のみとなります。在住している外国が相続税に課税しない場合は相続税を回避できます。
海外に持ち出せる財産は相続時に課税されませんが、日本国内の不動産は持ち出せないため相続税は避けられません。
国外転出時課税制度
国外転出時課税制度とは、日本居住者が海外に中長期的に海外に移住する際に、所得税を徴収される制度のことです。この所得税は、たとえ保有する株式等を実際には売却していなくても、出国時に時価相当で売却したものとみなして、対象資産の含み益に対して課税されます。課税対象者は、他国に転出する前に、未実現の利益も計算に含めて確定申告を行い、納税しなければいけません。
国外転出時課税制度の対象者は、以下の2つの条件を両方とも満たす海外転出者です。
- 出国時に時価の合計が1億円以上の対象資産を保有していること
- 転出するまでの10年以内に、5年を超えて日本国内に居住していたこと
タックスヘイブンへの移住とは
タックスヘイブンへの移住と言っても、まったく日本に入国してはいけないわけではありません。一般的に、1年のうち半分以上を海外で生活していれば、日本での非居住者となり移住したとみなされます。ただし、日本で仕事をしているなど、実質的な住所が日本とみなされれば、移住とみなされない場合があります。
タックスヘイブンへ移住するには
シンガポール

税金 | シンガポールは、キャピタルゲイン税、住民税、贈与税、相続税がゼロです。 また、個人の所得税は最大税率が22%と比較的低いです。 |
住環境 | シンガポールはインフラが整っていて治安が良く、住みやすい国です。 ただし不動産価格や生活コストが日本より高いです。 |
移住難易度 | 学歴や収入の条件などビザの取得条件は毎年厳しくなっています。 詳しくは最新情報を調べる必要があります。 |
ケイマン諸島

税金 | ケイマン諸島は、キャピタルゲイン税、住民税、贈与税、相続税、所得税がゼロです。 |
住環境 | ケイマン諸島はインフラが整っていて治安が良く、住みやすい国です。 ただし不動産価格や生活コストが日本より高いです。 自然が豊かで世界的なダイビングスポットがあります。 |
移住難易度 | 現地法人を設立する必要があり、難易度が高いです。 ケイマン諸島には法人だけ作り、住むのは別の国という方法もあります。 |
ドバイ

税金 | ドバイは、キャピタルゲイン税、住民税、贈与税、相続税、所得税がゼロです。 |
住環境 | ドバイはインフラが整っていて治安が良く、住みやすい国です。 ただし不動産価格や生活コストが日本より高いです。 イスラム教の国なので風習に従う必要があります。 砂漠気候です。 |
移住難易度 | 現地法人を設立するか、100万AED以上の居住用不動産に投資をすることが条件です。 |

普通のサラリーマンにはタックスヘイブンへの移住は難しいかもね。現地法人をつくるとか・・・

そうですね。ちょっとしたお金持ち程度なら、ほかの方法で節税して日本に住み続けるほうがいいでしょう。日本は治安が良くて住みやすいですから。

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